2021年1月27日[Wed] 19:00~

吉見俊哉 東京の未来は「北」にある?!──『東京裏返し』で読むポスト五輪の新首都像

 



  • 会場:オンライン
  • 主催:ゲンロンカフェ
  • 出演者など:  吉見俊哉
  • 概要:

    本イベントは、シラスまたはニコニコ生放送のゲンロン完全中継チャンネルからご覧いただけます。
    番組では皆さまからの質問やお便りを募集します。
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    【イベント概要】
    東京大学大学院情報学環教授で、社会学者の吉見俊哉氏をお迎えしてのトークイベントを配信します。
    吉見氏が新たな都市論として上梓した近著『東京裏返し』では、東京都心北部を「街歩き」することで、時間的存在としての都市「東京」の多様な姿を描き出しています。街歩きのガイドブックであり、都市をめぐる刺激的な論考であり、東京の文化構想への提言でもある意欲作です。
    この度ゲンロンカフェでは、本書のご紹介をいただきながら、東京について、都市について、吉見氏にたっぷりとお話を伺います。聞き手を務めるのは、江戸東京博物館学芸員の春木晶子氏。どうぞお見逃しなく!
     
    【聞き手の春木氏より】
    ゲンロンカフェが初めて吉見俊哉さんを招く。その記念すべき機会は、近著『東京裏返し―社会的街歩きガイド―』をめぐるものとなる。
    『東京裏返し』は、東京都心北部を中心とする7日間の「街歩き」を提唱するものだ。吉見さんは読者を特定の場所へと導き、今あるその場所から、中世以前・近世・近代という時間を往還する旅へ、読者を連れ出す。それはときに、「生(性)の時間」と「死の時間」、「勝者の時間」と「敗者の時間」、「学問の時間」と「日常の時間」という、今日分断されている異なる時間軸を結びつける旅となる。それらがなぜ生じ、なぜ分断に至ったのかを、吉見さんは丁寧に解きほぐし、つなぎ合わせていく。
    その最たるものが、東京の南西の時間軸と、北(とりわけ北東)の時間軸だ。東京の近代化で生じた最も重要な転換とは、江戸以来の文化を多分に継承する都心北東部から、明治政府を担った薩長やアメリカとのつながりが深い都心南西部へと、都市の基盤を移動させていく過程であった。今日の「表」たる都心南西部の発展を論じる吉見さんの『五輪と戦後―上演としてのオリンピック―』(2020年)と、「裏」たる北東部を論じる『東京裏返し』は、まさしく表裏の関係にある。
       
    一見「ライト」な読み物ながら、都市、メディア、建築、文学、歴史・・・多様な知見と関心が織りなす「街歩き」ガイドは決して「ライト」ではない。それは、吉見さんがこれまで発信してきた多岐にわたるテーマを自在に往還する楽しみを持っている。本書が導く場所を訪れたことがある読者、関わりをもつ読者は少なくないだろう。特定の場所に結びつく読者それぞれの記憶や知見が、吉見さんが導く旅に、否応なく巻き込まれていく。そんな新たな読書&街歩き体験を、本書は提供する。
    また本書は、吉見さんのデビュー作『都市のドラマトゥルギー』(1987年)の続編にして30年にわたるその後の研究の集大成たる『視覚都市の地政学―まなざしとしての近代―』(2016年)を踏まえたうえで、東京の未来をまなざす提言書でもある。『東京裏返し』とこれまでの足跡との連関を是非、うかがいたい。(春木晶子)
    ※ 放送のみ(会場は無観客)のイベントです。









    吉見俊哉
    Shunya Yoshimi

    1957年、東京生まれ。東京大学大学院情報学環教授。東京大学出版会理事長。集まりの場でのドラマ形成を考えるところから近現代日本の大衆文化と文化政治を研究。演劇論的アプローチを基礎に、日本におけるカルチュラル・スタディーズの中心的存在として先駆的な役割を果たした。主な著書に、『都市のドラマトゥルギー』(河出文庫)、『博覧会の政治学』(講談社学術文庫)、『メディア時代の文化社会学』(新曜社)、『「声」の資本主義』(河出文庫)、『リアリティ・トランジット』(紀伊國屋書店)、『カルチュラル・ターン、文化の政治学へ』(人文書院)、『カルチュラル・スタディーズ』(岩波書店)、『メディア文化論』(有斐閣)、『万博と戦後日本』(講談社学術文庫)、『親米と反米』(岩波新書)、『ポスト戦後社会』(岩波新書)、『大学とは何か』(岩波新書)、『夢の原子力』(ちくま新書)、『アメリカの越え方』(弘文堂)、『「文系学部廃止」の衝撃』(集英社新書)、『視覚都市の地政学』(岩波書店)、『大予言――「歴史の尺度」が示す未来』(集英社新書)、『戦後と災後の間――融解するメディアと社会』(集英社新書)、『トランプのアメリカに住む』(岩波新書)、『現代文化論』(有斐閣)、『平成時代』(岩波新書)、『アフター・カルチュラル・スタディーズ』(青土社)、『五輪と戦後』(河出書房新社)、『知的創造の条件』(筑摩書房)、『大学という理念』(東京大学出版会)、『東京裏返し』(集英社新書)等、多数。








    春木晶子
    Shoko Haruki

    1986年生まれ。江戸東京博物館学芸員。専門は日本美術史。 2010年から17年まで北海道博物館で勤務ののち、2017年より現職。 担当展覧会に「夷酋列像―蝦夷地イメージをめぐる人・物・世界―」展(北海道博物館、国立歴史民俗博物館、国立民族学博物館、2015-2016)。共著に『北海道史事典』「アイヌを描いた絵」(2016)。主な論文に「《夷酋列像》と日月屏風」『美術史』186号(2019)、「曾我蕭白筆《群仙図屏風》の上巳・七夕」『美術史』187号(2020)、「北のセーフイメージ」『ゲンロンβ』49号・50号・52号、「あなたに北海道を愛しているとは言わせない」『ゲンロンβ』54号・55号。株式会社ゲンロン批評再生塾第四期最優秀賞。



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